子どもとAIの付き合い方 — 禁止するより「一緒に使う」がいい理由と、家庭で決めたい7つのルール
宿題でAIを使っている、友だちとAIで遊んでいる、AIにイラストを描いてもらった。そんな話を子どもから聞いて、ドキッとした保護者の方も多いのではないでしょうか。
「子どもにAIを使わせて大丈夫?」という不安はもっともです。でも、これからの時代、AIをまったく使わずに大人になるのは難しいでしょう。スマホやインターネットがそうだったように、AIも「どう付き合うか」を学ぶ時代に入っています。
このコラムでは、禁止するのではなく、家庭で上手にAIと付き合うためのヒントを詳しく紹介します。
なぜ「禁止」より「一緒に使う」なのか
AIを家庭で禁止しても、学校や友だちの家、スマホのアプリなど、子どもがAIに触れる機会はたくさんあります。親の目が届かないところで、自己流で使うことになってしまうかもしれません。
一方、親子で一緒に使えば、次のようなことを自然に教えられます。
- AIは便利だけど、間違えることもある
- 入力してはいけない情報がある
- AIの答えを、自分で確かめる大切さ
禁止は「知らないまま」にしてしまいますが、一緒に使うことは「正しく知る」機会になるのです。
まずは利用規約の年齢を確認
多くのAIサービスには、利用できる年齢の決まりがあります。
- 13歳未満は使えないサービス
- 18歳未満は保護者の同意が必要なサービス
- 子ども向けに機能を制限したサービス
子どもが使っているサービス、使いたがっているサービスの規約を、一度確認してみましょう。規約の年齢に満たない場合は、保護者のアカウントで、保護者がそばにいるときに使うのが安心です。
年齢別の付き合い方の目安
子どもの年齢によって、AIとの付き合い方は変わります。
| 年齢 | 付き合い方の目安 |
|---|---|
| 小学校低学年 | 保護者が操作し、一緒に画面を見ながら使う |
| 小学校高学年 | 保護者がそばにいるときに、子どもが操作する |
| 中学生 | ルールを決めたうえで、自分で使う。困ったら相談 |
| 高校生 | 自分で判断して使う。ときどき使い方について話す |
もちろん、これはあくまで目安です。子どもの性格や、家庭の考え方に合わせて調整してください。
家庭で決めておきたい7つのルール
ルール1:個人情報を入力しない
名前、学校名、住所、電話番号、顔写真などは入力しない。これは大人と同じ、いちばん大切なルールです。友だちや家族の情報も同じです。
ルール2:宿題の答えを丸写ししない
AIは「わからないところを教えてもらう先生」として使い、答えを写すのはやめよう、と話しておきましょう。学校によってAIの使い方のルールが違うので、先生の方針も確認しておくと安心です。
ルール3:AIの答えがいつも正しいとは限らない
AIもまちがえることを、実際に一緒に試して見せるのが効果的です。たとえば、地元のお店や、家族しか知らないことを聞いてみると、AIがそれらしい間違いを答えることがあります。「本当かな?」と疑う習慣は、AIに限らず大切な力になります。
ルール4:困ったこと、こわいことがあったら話す
変な答えが返ってきた、こわい気持ちになった、誰かに言われてAIを使ったら様子がおかしい。そんなときはすぐに大人に話していい、話しても怒られないと伝えておきましょう。
ルール5:使う時間と場所を決める
ゲームや動画と同じく、使う時間や場所を決めておくと安心です。
- リビングなど、家族の目があるところで使う
- 夜遅くには使わない
- 1日〇分まで、など時間を決める
ルール6:AIでつくったものは「AIでつくった」と言う
AIに描いてもらった絵や、AIに手伝ってもらった作文を、自分だけでつくったように見せるのはやめよう、と伝えましょう。正直さを学ぶ機会にもなります。
ルール7:人を傷つけることに使わない
友だちの悪口を書かせる、誰かの写真を勝手に加工する、といった使い方は絶対にしない。AIを使っても、やっていいこと・いけないことは、ふだんと同じです。
ルールの決め方のコツ
ルールは、親が一方的に決めるより、子どもと一緒に話し合って決めるほうが守られやすくなります。
- 子どもがAIをどう使いたいのかを聞く
- 親が心配していることを伝える
- お互いが納得できるルールを一緒に考える
- 紙に書いて、見えるところに貼る
- 1〜2か月に一度、ルールを見直す
親子で試せるAIの使い方
一緒に使ってみると、子どもがどんなことに興味を持っているのかが見えてきます。おすすめの使い方を紹介します。
自由研究のテーマを考える
小学5年生の自由研究のテーマを考えています。
身近なもので、1週間くらいでできる実験を5つ提案してください。
AIにアイデアを出してもらい、実際の実験は親子でやってみましょう。
英語の会話練習
小学生向けに、かんたんな英語で会話の練習相手になってください。
テーマは「好きな食べ物」です。
間違えても恥ずかしくないので、英語に慣れるきっかけになります。
図鑑との答え合わせ
好きな動物や恐竜についてAIに質問し、図鑑で答え合わせをしてみましょう。AIが間違えていたら、それも大切な学びです。
お話づくり
小学2年生と一緒に、お話をつくりたいです。
主人公は「空を飛べるネコ」です。
最初の3行だけ書いてください。続きは子どもが考えます。
AIに書いてもらうのは最初だけにして、続きは子どもが考えるのがポイントです。
子どもへの声かけの例
子どもとAIについて話すとき、こんな声かけをしてみてはいかがでしょうか。
- 「AIってどんなふうに使ってる? 見せてくれる?」
- 「AIの答えで、ちょっと変だなと思ったことある?」
- 「AIに聞く前に、自分ではどう思った?」
- 「この情報、ほかの方法でも確かめてみようか」
- 「困ったことがあったら、いつでも言ってね」
責めるのではなく、興味を持って聞くことが、子どもが話しやすい雰囲気をつくります。
AIは「友だち」ではないことも伝えたい
AIはやさしく、いつでも話を聞いてくれます。中には、AIを本当の友だちのように感じる子どももいるかもしれません。
でも、本当の気持ちを分かち合い、一緒に笑ったり悩んだりできるのは、家族や友だちです。悩みをAIだけに相談するのではなく、身近な人にも話せる関係を大切にしたいですね。AIとの距離感については、コラム「AIに悩みを相談してもいい?」でも考えています。
よくある質問
Q. 何歳からAIを使わせていい?
まずはサービスの利用規約を確認してください。規約の年齢に満たない場合は、保護者のアカウントで、一緒に使うのがおすすめです。
Q. 宿題にAIを使うのはズル?
使い方しだいです。答えを写すのはよくありませんが、わからないところのヒントをもらうのは、家庭教師に教わるのと同じです。学校のルールも確認しましょう。
Q. 親がAIに詳しくないけど大丈夫?
大丈夫です。むしろ、親子で一緒に学ぶほうが楽しく、子どもも話しやすくなります。
まとめ
子どもとAIの付き合い方で大切なのは、こわがって遠ざけることではなく、大人がそばで見守りながら、一緒に使い方を学ぶことです。
- 利用規約の年齢を確認する
- 家族でルールを話し合って決める
- 親子で一緒に使ってみる
- 困ったことがあったら話せる関係をつくる
今日の夕食の時間に、「AIってどう使ってる?」と聞いてみることから始めてみませんか。